夏と違いまだ薄暗い朝に目覚める。
蝉の元気のある声からいつの間にかコオロギや鈴虫のせつない声に変わっている。
今日は秋晴れの名にふさわしい雲一つない快晴
玄関先のキンモクセイがトロピカルな天然の芳香剤で辺り一帯を包み込む。
このキンモクセイの木も檜のように材料として使ってもあの香りがするのだろうか。
ついプライベートに仕事を持ち込んでしまう。
庭先にはいつの間にか彼岸花が咲いている。
そしてこの花と空が私の手に一眼レフを持たせる。
芝生の緑に赤い彼岸花が美しく映える。
この彼岸花を被写体に構図や角度、光、距離などを変えて何度もシャッターをきっている。
生命力のある芝生の緑との対比よりも
抜けるような青い空と燃えるような赤い彼岸花のコントラストの方が個人的には好きだ。
ご近所様からも新米や秋の味覚をいただく。
日よけの緑のカーテンのゴーヤも今年は豊作だ。
夜には、電気やテレビなにもかもブレーカーを落とし、
月明かりとろうそくの灯火もいいだろう。
そして、秋の夜空を見上げながら、虫の音をBGMに秋の実りをいただく。
そこにお酒があれば何もいうことはない。
こうして、秋を思う存分味わえる環境に本当に感謝したい。
自然に脅威を感じることもあれば、そっと優しさで包んでくれることある。
木工という仕事もその自然があるから物づくりが出来ていることを改めて実感する。
贅沢とはこういうことなのだろうか。
そろそろ、庭の柿の木も収穫をむかえそうだ。