最近、ありがたいことにオーダーメイドの注文が増えてきている。
ここ最近のオーダーメイドたち
iPadのカバーに名前を入れて
iPhoneカバーを買ってくれた人が、同じApple社のiPadのカバーをオーダー。
「実物がないとできません。」と伝えたらすぐにiPad本体を送って来てくれた。
ここまで、本気ならばこっちも気合いを入れて作らなければ思う。
箸を使えない人の箸
今までは料理用の大きなピンセットを箸代わりに使っていたらしい。
毎日の食事にはその金属のピンセットは重いし、長過ぎて使いづらいという。
大阪のイベント会場で注文を受けたのだが、その一週間前に兵庫県のイベントで、スプーンを買って使ってくれてた。そのスプーンが軽くて良かったので箸を作ってもらいたいとまた逢いにきてくれた。
スプーンフォーク
突然、「スプーンフォークを木で作れますか?」電話がかかってきた。
「作れます。」「今使っているチタン製のものを送るのでそれを参考にして作ってください。」
チタン製よりも先の厚みが若干増したが、持ち手の部分はその厚みが手に馴染みかなり忠実により使い易く仕上がったと思う。
珈琲豆専門店に勤める友人にお盆をプレゼントしたい!そう言って注文を受けた。
最初は、丸のお盆がいいと言っていたが、依頼者と打ち合わせをしているうちに珈琲豆の形のお盆に使用ということに決まった。
こっそりと、そのお店に行って雰囲気や好みを把握して最終的なデザインを決めた。
シアワセバシ
銀座の飲食店からの注文。
「縁起の良い箸を‥…」
といことで、持ち手は末広がりの八角形、箸先は祝いの席で使われる両側が細い利休箸風にして四角形にした。四角形の箸先が合わさり「四合わせに」という意味を込めて。そして、材料は縁起の良いいエンジュ(縁寿)を使用。
オーダーメイドは、定番の作品と違い、無から創り出すので時間がかかるので正直に言って効率は悪い。
納得がいくまで創り直すこともある。本当にこれで満足してくれるのかという不安はいつもつきまとう。
だけど、それ以上に新しいものを創り出す喜びや、注文主の顔が見えることがたまらなくいい。
このオーダーメイドのきっかけで新しい技法を編み出せたりもする。
注文主にとっても世界にひとつの自分のだけのオリジナルのものが手に入る。
注文してから手元に届くまでの時間もまたいいものだろう。
その期待をいい意味で裏切れるように‥…
現代は効率化が重視され同じものやシンプルなものが多くなり個性が無くなってきているような気がする。安土桃山時代やアールヌーボーの時代の作品に惹かれるのはそのせいかもしれない。