どれだけの集客が見込めるのか。
どんな反応が返ってくるのか。
今後にどう繋がるのか。
全く想像もできなかった。
出展社には日本を代表する医療関係各社の名前が並ぶ。
アステラス製薬・エーザイ株式会社・株式会社大塚製薬工場・小野薬品工業株式会社・第一三共株式会社・中外製薬株式会社・久光製薬株式会社など(あいうえお順)、さらにはトヨタ自動車株式会社、本田技研工業株式会社・株式会社NTTドコモまで
おそらく、企業展示で「株式会社」ではないのは「箸factory宮bow」だけではないだろか。
最先端の最新医療機器や医療品が並ぶなかに、一つ一つ手作りで作られてアナログの木工品が並んでいるミスマッチな不思議な感じだった。
しかし、向かうベクトルは違えど、注ぎ込まれている情熱は変わらない自信はあった。
そして、なによりもあのお箸が喜んでいたことが嬉しかった。
本来、あのお箸がくるべき場所は、こんな場所だったんだということがひしひしと伝わってきた。
あらゆる人やモノには、一番輝ける場所が用意されていることを改めて実感させられた。
さて、気になる反応だが、欠点の指摘や課題が浮き上がってきたことは事実だが、想像以上に反響は大きかった。
使いやすさ、美しさ、磁石の構造、オーダーができることなど全てが、医療従事者にとって新鮮に映ったようだ。
まず、福祉用具に美しさを求めることなど考えられないことのようだった。
これまで、箸を作り続けてきて5年。お箸はある程度自信が持てる水準に達してきた自負はある。まだまだ改良の余地はあるが…
しかし、このお箸をどうすれば、より多くの必要としている人に届けることができるのか。ずっと明確な答えや方向性すらわからなかった。
それが、今回の出展で、たくさんのお医者さんや作業療法士さんからアドバイスやお話を聞くことができて、ぼんやりと進むべき道が見えてきた。向かう先はこの方向で間違いないだろう。あとは、そのぼやけているビジョンがよりクリアーに鮮明に見えるように焦点を合わせていけばいい。
あのお箸であれば、今まで誰も足を踏み入れたことがない領域に辿り着くことができるのではないか、とさえ思えてくる。
そのためにやるべきことも見えている。
今回の最大の収穫は、専門的なことを相談できる仲間ができたことだ。
まさに、大海原を航海する船がコンパスと宝の地図を手にしたように