父の日が近づいてきたので、安易な考えでお猪口を作ってみました。

材料は『杉』

枡(ます)のようなイメージでお猪口を考えました。

そういえば、なぜ酒樽や枡が杉なのか?

造り酒屋に7年も勤めながら考えたこともありませんでした。

何か理由があるのではないか。それとも、ただ杉が一番手に入れやすかったからなのだろうか。そう思って調べてみました。

すると、以外な事実が判明しました。

まず、作り酒屋の軒先に吊るされる杉玉。あれも杉の葉で出来ています。

酒蔵の神棚に祀られているお札は、奈良県三輪山の大神神社(おおみわじんじゃ)のお札です。この神社は本殿を持たず、三輪山そのものを神体(神体山)として成立した神社です。ここの神様は水神として酒造りの神として篤い信仰を集めています。この三輪山の杉で作った杉玉を軒先に吊るしていたのです。そして、この杉の葉には酒の腐敗をなおすという説もあるそうです。

日本酒では樽だけでなく、昔から酒の醸造や貯蔵に用いられて来た桶にも杉が用いられており、最も酒樽に向く杉材は、奈良県・吉野地方で産出される「吉野杉」あると言われています。一般的に酒を詰める樽は「甲付」と呼ばれる、表側が赤いものが重宝されます。これは杉材でも木の表皮の下に広がる「白太」と、幹の中心部である「赤味」と言う部分の境目を使用するもので、白太は杉特有の爽やかな香気があり、赤味は濃密な味が付き易くなると言われています。それぞれの部分が、樽酒固有の風味を引き出す役割を担っています。

杉は日本酒の醸造には縁起の良い材料であると同時に熟成させるにもうってつけの材料だったのです。

というわけで、日本酒と杉にはとても深い繋がりがあるようです。

個人的には、杉の木目の美しさにも心を惹かれます。

なんだか、杉のお猪口で日本酒を呑んでみたくなりませんでしたか。

杉酒

 

1件のコメント

  • 遊び人の金 より:

    お酒の器が好きでいろいろ集めていて、杉のお猪口も持ってのんでます。
    先日、京都の知り合いの料理屋さんに杉のお猪口を持ち込んだら評判がよく、探している所でした。

    なんとも言えない香りが良かったようです。

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