インターネットで『そろばん箸』に注文が入りました。
娘さんが学校を卒業して実家に帰ってくる。その娘さんのための箸をプレゼント。
「雷が大嫌いな娘に桑の箸をあげたいと思います。」
桑の木には古来より魔除けや厄除けの効果があると言われてきました。
「クワバワクワバラ」というおまじないも桑畑のことをさしています。雷さまを助けた男の子が雲の上にもてなされたが、雲から足を踏み外してしまった。落ちたところは桑畑で、運良く桑の木にひっかかり助かった。それ以来、雷さまは、男の子を助けてくれたお礼に、桑の木の側には雷を落とさなくなったという。
このお母さんの娘さんを想う優しさが言葉から伝わってきました。
その時には、あることに気がつかなかったのですが‥…
お箸を発送して手元に届きましたという連絡の内容にとっても嬉しい言葉があったのです。
以下メールの一文です。
箸を触って
「変わった形で、すぐ(自分の箸だと)わかる!これは何のかたち?」と嬉しそうに娘が申しました。
そろばんだよ、と言いかけてそういえば視覚障がい者用のそろばんとは形が違う、と思い出しました(笑)
今度、晴眼者用のそろばんを触らせようと思いました。
娘さんは視覚障がい者だったのでした。
なんだか、そろばん箸のカタチが意味を持ってくれて、こうして使ってもらえるというだけでとても嬉しかった。
他の人には、分りにくい小さな幸せかもしれないけれど、私にとってはとっても満足感のある出来事でした。
そろばん箸:持ち易さを追求して辿り着いた形がそろばん玉の形だった。