2ヶ月ほど前に友人から
「この本は読んだ方がいいと知り合いから奨められたんやけど、
この本は俺じゃなくてお前が読んだ方がいいと思って持って来た。読む?」
最初の数ページを読んだっきりそのままになっていた。
最近になって読んでみようかなと思い立ち、今読んでいるその本
『編集者という病い』見城 徹
この見城さんは、出版社の幻冬舎を創立した人である。
内容はかなり刺激的だ。
作家、ミュージシャン、演劇作家など様々なジャンルの表現者との濃密な交流を描いた激闘の記録。
表現者は表現しないと生きていけないという人種らしい。
社会の不条理や葛藤、生きること、死ぬことに真っ向から挑み、本能のままに表現しそのエネルギーをまき散らしながら生きている。
本当に考えさせられる。
自分はどうなのか?
私が以前に勤めていた家具工房を辞めた理由を思い出した文章があった。
「ひりつかない自分がいる。このまま角川書店という安住の地に居続けていいのだろうか。」
私も先が見えてしまったような気がした。このまま安定した生活がずっと続いていくそんな気がして会社を辞めた。
「麓でぬくぬくと太って飼いならされる羊よりも、頂上を目指して飢えながら牙をむき続ける豹でありたい。ここではない、どこか他の場所を求めて… 。」
この文章に心が揺れる。
こうあることが辛く険しい道であることが分っていても、その道を選んでしまうもうひとりの自分がいることもわかっている。
そのためには、本能や直感という見えない感覚をさらに研ぎすまして、自分の進む道を嗅ぎ分けていかなければならないだろう。
この本を読み終わる頃には、どんな想いが強くなっているのかそれが本当に楽しみだが、その反面、足を踏み入れてはいけない世界に向かっているかもしれないという胸騒ぎもしている。
でも、ワクワクしてくる3ヶ月後すら想像出来ない自分に
本はまだ、半分くらいだ。