初めて向かい合ったのは、小学生の頃だったと思う。
その時には何の興味も示さず、名前の聞いたことのある芸術家という認識しかなかった。
その芸術家が、今では私を虜にしている。

棟方志功の作品を数多く所蔵している富山県南砺市にひっそりとたたずむ『福光美術館』

そこへどうしても逢いにいきたくなり、この寒波にもひるむことなく吹雪の中、車を走らせた。

そこで待っていたのは、あの時と変わらない棟方の板画。
とても大きかったというイメージの『二菩薩釈迦十大弟子』
まるで巨人に上から覗き込まれているような感じだったのを覚えている。
それよりも強烈に脳裏に焼きついて残っていたのが棟方が、一心不乱に板画を彫っている映像だった。子どもながらに衝撃を受けたのを鮮明に覚えている。
今、改めて対峙するとまるで違う印象を受ける。
作品を通して棟方の息づかいが伝わってくるようだった。

この常設展では、棟方志功の作品だけでなく、石崎光瑤という日本画家の作品も展示してあった。
恥ずかしながらこの人ことは全く知らなかったが、作品は本当に見事でした。
まるで尾形光琳の屏風絵をみているような繊細さと大胆さと絶妙な構図。

型にはまっていない自由奔放で天才的な棟方志功と伝統を継承し写実的に描く日本画の王道のような石崎光瑤
相反するような作風の二人が同時に見られる美術館。

大きな美術館で話題になるような世界の名画が集められた企画展よりも良かった。

是非、お奨めしたい美術館である。

まだ、自分では認識はないが、間違いなく大きな影響を与えてくれた出逢いだっただろう。
また必ず訪れたいと思う本当に素晴らしい美術館だった。

 

おまけ

これはなんでしょうか?

ヒント

何かが凍って氷の柱になっています。

 

正解は、雨どいから下がっている屋根の雨が伝って地面に流れるあれです。

氷でコーティングされ天然のオブジェ。まるで倉俣史郎の「ミスブランチ」のようだ。

 

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