先日、秋田県横手市のクラフトフェアに出展してきた。
自然を感じる旅になった。
移動距離が長いということは必然的に朝昼晩の景色や海川山、夕日や朝日、夜空に輝く星に遭遇する。
出展先では、現地で仕事ができないので強制的に仕事はオフになる。
時間があれば本を読んだりする。
今回は、『SWITCH』という雑誌を読んでいた。
不思議なことに今回の特集が、自然をテーマにした内容だった。
読むというより感じると言った方がいいかもしれない。
帰り道の富山県朝日町を車を走らせている時に後ろから朝日が射してきた。
思わず車を停めて朝日を眺めた。
インドのガンジス川で見たあの景色を思い出した。
朝日は全世界どこで見ても同じだ。
朝日に向かうと全てが逆光になり白黒の世界になる。
そのコントラストと海の上を走る光。
今年はいつもより太陽を見る機会が多い。
『SWITCH』の内容にap bank fes’11 Fund for Japanのことも書かれていた。
今年も参加できることを本当に嬉しく思う。
その中でプロデューサーの小林武史が、
「音楽」=「自然」である、という質問に
まさしく一緒だと思う。だからビジネスのための音楽というのではあんまりないんだろうと思います。まあビジネスというとイヤらしいけれど、「魅力」というのはあるよね。つまりお金をいただいて、そのお金で僕らはまたこんなこともできるっていう循環を作っていく。「音楽をやっていいですか」「いいですよ」という信頼関係は、プロの姿勢ですからね。「いいですよ」って言ってくれているからやれているようなもので
まさにギブ&テイク。その循環で自分のやりたいことが表現しつづけられるのだろう。
岡本太郎のように一方的に押し付ける人もいるが‥…
雑誌の後ろの方に、バイオリニスト葉加瀬太郎のインタビューも載っていた。
デビュー20周年を迎えたが、それでも最近になってレッスンに通い始めたと言う。
「・・・徹底的にフォームを直されている最中なんです。・・・でもこうしたレッスンのおかげで、既存の楽曲を弾いても従来とは違った景色が広がるようになった。引き出しが増えたというか、車で言えば新たにシフトレバーが備わったような感覚ですね。」
私は簡単に彫刻刀を増やせばもっと、細工の可能性の幅が広がるのではないかと安易な方向に思いを馳せる。
しかし、思い立ったが吉日。いろいろな形の刃物があれば武器になる。
それにしても、秋田県立近代美術館はかっこよかった。
空を泳ぐ大きなクジラのようだった。
こあらの信号