「一輪挿しを集めてるんです。」
昨年の百貨店で出逢ったお客さんに言われた。
「今度くる時に作ってきて!」
今月、近くの百貨店に出展するので案内のDMを書いている時に思い出した。
まさに彫刻を作っていくような感覚だった。
木材は、削ったら最後もとには戻らない。
一発勝負だ。
どこで完成とするのか見極めが難しい。
一輪挿し『憑代』
木肌をそのままどこか一面に残すことを決まりとした。(そうではないもののあるが…)
木材の生命力と、人の手による彫刻刀の跡。
その二つを混在させると、それぞれが引き立てあう。
門松とは神様が降りてくる『憑代』ということを聞いたことがある。
『憑代』とは神霊が寄りつくものである。
この一輪挿しに花を挿した時に、そんな感覚になると嬉しい。
自然から頂いた花を持ち帰り一輪挿しに挿す。
その一輪を神霊にお供えするように