以前から進んでいました椅子の脚がついに完成しました。
京都から鍛鉄作家さんが脚を持ってやってきました。
昨日、完成の電話がありました。
「やれるだけのことはやりました。」
「大体イメージ出来ていますから、送ってくれればいいですよ。」
「いや、持って行きます。完成の瞬間に立ち会いたいですから。」
やっぱり、この人の職人気質はかっこいいです。
椅子を眺めながら、ノンアルコールビールで完成を祝い、乾杯!
前回の脚がこれです。
さあ、どこが変わったでしょう?
そう、座面奥の手掛けです。
この手掛けは機能的な要素だけでなくと全体的なバランスがよくなり、グッと雰囲気が良くなりました。
この椅子には説明はいりません。まあ、座ってみてください。それだけ自信はあります。
ですが、説明したいことがたくさんあります。少し、説明させてください。
銘『雲の椅子(くものいす)』【cloud chair】
木なのに柔らかく感じる座面。その座面を支える脚を「雲」をイメージして制作しました。形だけではなく、形状がクッションの役割を果たしふわっとした座り心地。まさに、雲に座るような感覚です。
柔らかい素材はひとつも使用していません。
座面を座りやすさを追求した形に削り、硬いイメージの金属を曲線のみで仕上げて柔らかい印象を与えると同時に座面の座り心地を下から支える脚。
脚がクッッションの役割を果たすので床面を傷つけにくい。
和室、洋室、屋外どこにも合うデザイン。
座り心地にこだわったら、普通の椅子よりも少し低くなりました。
座面奥の手掛けは雲から太陽が昇る「朝日」をイメージ。
最後に、今日聞けた嬉しいお話を紹介します。
鍛鉄作家さんがずっとお世話になっていた方にもこの椅子に座ってもらったそうです。
その座られた方には「鉄と木材の組み合わせはなど絶対にありえない。」とずっと言われ続けていたそうです。
「何も言わんから座ってみて。」
「 ・ ・ ・ 」
何も言わずにしばらく座っているとぽろぽろと涙を流し始めたそうです。
還暦を迎え強いこだわりを持ち沢山の良いものを目にしてきた人を感動させられるそんな椅子が出来上がりました。
この組み合わせでしか出来なかった椅子です。