雷文様(らいもんよう)

この文様は中国で数多く使われている。角形の渦巻きで雷を表すのは中国のやり方で、この文様が日本に伝承され雷文様として定着した。

 

観世水文様(かんぜみずもんよう)

江戸中期の画家・尾形光琳の有名な『紅白梅図屏風』にこの文様風のモチーフがある。能役者の観阿弥の通称を観世ということもあって、以後、流派の名称はもとより、この文様を観世水と呼ぶようになり現在にいたっている。平安期に描かれた海の波のようなダイナミックさはないが、静けさをよく表している。

 

 

流水文様(りゅうすいもんよう)

墨流しという技法が平安時代に発明された。しかし、この墨流しが衰えて、趣味の悪いものになった。そこで、木版にして量産を考えようとしたのがこの文様である。

 

雲に稲妻文様(くもにいなずまもんよう)

現代のように化学で稲妻の正体が解明できていない時代に、天空で光る稲妻や轟く雷は、誰にも恐がられていた。その最も恐ろしいものを抽象化して使った。

 

風紋文様(ふうもんもんよう)

砂丘に風が描いた模様が風紋だが、それを見事に文様として抽象化して再現している。この

 

よろけ縞文様(よろけじまもんよう)

着物の縞柄は女性の姿態の線を演出するのにとても有効に働く。動きをさらに美しく強調させるように、ゆるい曲線の縞文様をつくった。これがよろけ縞である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

むじな菊文様(むじなきくもんよう)

花弁だけを使って渦のようにダイナミックに構成された菊の文様。線を整理して立体化させないのが、着物柄など身につける文様の重要なところで、立体である身体を飾るには文様は平面がいい。そうしたコンセプトでデザインされた意匠こそ、着る人を最も引き立てる。まさに粋の真骨頂。今の衣装は柄が絵画的になりすぎ、着る人の存在感が希薄になってしまった。衣装文様のデザインは、着用する人を引き立てるのが目的で、自己を主張する絵画とは別物と考えなくてはいけない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柳縞文様(やなぎじまもんよう)

柳の葉で描かれた縞文様。こうした単純化あるいは抽象的な表現は古い日本人が最も得意とするところで、絵画的なモチーフを見つけるとすぐに抽象化が始まっている。

 

土塀文様(どべいもんよう)

レンガを積み上げた土塀の形を文様としたもので、江戸時代によく使われた。特に火消しの纏持ちの半纏柄で大活躍した。火を遮るのには土塀が有効なのはいうまでもない。全員後ろ向きになれば火がとまる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小六文様(ころくもんよう)

享保から天明に活躍した役者・嵐小六が『夢結びねぐらの蝶』で、お房の役に扮して着たのがこの文様。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

萩文様(はぎもんよう)

萩を縦縞にしてしまった何ともすご腕の作品である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

格子文様(こうしもんよう)

長い年月親しまれてきた格子文様。三種類の線の太さで巧みに構成されている。


 





豆の箸置き「落花生」

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