先日、偶然連休が取れたので、行楽の秋を満喫するために岐阜へ出かけてきました。高山を観光し、奥飛騨の新平湯温泉へ、そして白山スーパー林道という、まさに秋の紅葉を満喫する旅行会社が企てそうな王道の旅。
しかし、これは今思えば、全てが導かれたと言ってもおかしくない旅だったような気がする。
まず、偶然の降って湧いてきたかの連休。この連休がこの日にとれたことも
高山へ行くこと
奥飛騨温泉へ行くことも
スーパー林道を通って帰ってくることも
すべて自分で決めたと思っていたけれど、そうじゃなかったのかもしれない。
順番に説明していくと、中学生の遠足ご一行様と同じように高山を観光。
そして、宿の奥飛騨温泉へと向かう。その途中の曲がり道で「千光寺まであと3km」という看板が偶然、視界に入った。しかし、温泉とは逆方向だったのでそのまま温泉へと向かった。
この千光寺が気になったのは、円空さんとゆかりの深いお寺だということは知っていたからだ。以前に、今年3月に上野の東京国立博物館で開催されていた特別展「飛騨の円空-千光寺とその周辺の足跡-」にも私は足を運んでいた。これも、たまたま東京へ行ったと時にやっていたので見に行ってのだ。これが目的で行った訳ではない。
話は逸れたが、人里離れた奥飛騨温泉で日頃の疲れを癒し鋭気をやしなった。
そして、次の日に白山スーパー林道へと向かった。
途中まで同じ道を通って帰った。途中まで
この途中というのが、前日曲がったあの交差点だった。
温泉から白山スーパー林道への道のりは、あの交差点を高山方面へ向かうよりも「千光寺まであと3km」の看板の方へ向かうように車のナビが誘導した。
「千光寺まであと1km」という看板が私を誘惑する。
つい最近に千光寺の円空仏は見たからいいやと思っていたけれど、気がついたら千光寺へハンドルをきっていた。何かに導かれるように
何か普段と違うような空気だった。
偶然にもその日は「本尊 十一面千手観音菩薩」御開帳法要中だった。
しかも、公開は2週間のみ、その本尊は7年に一度。
さらに、本尊公開の時にだけ公開される円空の秘仏も円空仏寺宝館で見ることができた。
極めつけは、いつもはその円空さんの秘仏は厨子だけしか見ることが出来なかったのだが、今回は厨子の中の「歓喜天像」までが公開されていた。
この仏像の公開は初めてだと言う。
この円空さんの秘仏に逢うために全てがお膳立てされていたような旅だった。
改めて、考えさせられる。
円空さんは、大雨や日照り、飢饉、病気などで苦しむ人を救うために仏像を彫ったと言われている。
そして、現在、日本各地で異常気象などで自然災害が多発している。
昔と違い信仰心の少ない日本で仏像はあまり、意味を持たないかもしれない。
けれど、何かにすがり祈り願うことで救われる人がいることは必ずいると思う。
その何かを探してみようか。